私が前回カナダへシニア留学に行くと決めたとき、いろんな人から「どうしてカナダなの?」とよく聞かれました。
私の中では迷うことなくすぐ決めたので、自分にとってはごく自然な流れだったのですが、よく聞かれる質問だったので、たくさんある国の中からどうしてカナダを選んだのか?についてあらためて考えてみました。
この記事では、カナダ留学のメリット・デメリットと、私がシニア留学先にカナダを選んだ理由についてまとめます。
カナダ留学のメリット・デメリットとは?
カナダ留学のメリット
まずはカナダ留学のメリットからですね。
いろいろあるけど、私としてはこの3つを挙げますね。
マルチカルチャーの国
カナダは移民の国です。
国策として移民を受け入れているので、とにかくいろんな国の人たちがいます。
街中でも電車の中でも、とにかくいろんな国の人たちが混ざり合っています。
街中で聞こえてくる言葉も英語だけではありません。中国語、韓国語などアジア系の言葉もあれば、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語や、そもそもどこの言葉なのか聞き取れないどこかの国の言葉も聞こえてきます。
そしてこのマルチカルチャーぶりはレストランにも現れていて、街中ではありとあらゆる国の料理が食べられます。
ショッピングモールのフードコートには、タイ料理、中華料理、アイリッシュ料理、メキシコ料理などなど、とにかくいろんな国の料理があります。そしてどこの料理を食べるかはその人の自由。
この雰囲気は日本では絶対に味わうことのできないものです。
どうせ海外に留学に行くのなら、日本にはない雰囲気を肌で感じるのが醍醐味だと思いませんか?
そういう意味で、カナダがマルチカルチャーの国であることが、まず1番のメリットだと思います。
そして、マルチカルチャーではあるもののカナダの人はネイティブカナディアンをとても尊敬していて、小学校では授業で必ずネイティブカナディアンのことを学ぶそうです。
そういうところがまたいいですよね~。
多様性
それだけいろんな国の人が1つの国で同居している状態なので、そもそも多様性がなければ社会が成り立たないわけです。
例えば、どんな服装をしていようが、どんな髪型だろうが、何をしていようがとにかく外見で人を判断するということがありません。年齢も全く関係ありません。
日本では「そんな派手な格好して。歳を考えなさいよ。」とか「いい歳して留学だなんて、普通はしないでしょ。」とか、こういう余計なお世話的な考え方がありますよね。
でもカナダってこういう考え方自体がないんですよ。マルチカルチャーだから「普通」っていう基準みたいなものが存在しないんです。
その人がいいと思うものが最高!歳を重ねてきた今が最高!それをみんなが認めている感じです。
また、街中では電動車いすで移動する人をよく見かけます。
バスでも電車でも、車いすの人が乗り降りしやすいように工夫がされています。しかもその工夫が”大げさ”じゃなくて”当たり前”な感じなんですよ。
例えばバスの場合、バスの運転手さんが運転席からボタンを押すと、バスの乗り口からスロープがばたーんと自動的に出てきて、歩道とバスの段差をなくしてくれます。
車いすの人はそのスロープの上を通ってバスに乗ります。乗り終わると運転手さんがまたボタン1つでばたーんとスロープを戻して発車します。
電動車いすの人がバスを利用するのが当たり前の社会なので、どの工夫もみんなシンプルだし、誰も特に気にも留めない感じなんです。
それぞれの人がそれぞれの基準で生きていくのが当然の社会。そんな風に感じます。
これも日本では味わえない感覚です。こういうところがホントにカルチャーショックなんですよね。この世代だから余計にそう感じるんだと思います。
コレを味わえるのがカナダ留学の醍醐味です。
英語がキレイ
いろんな国から移住してきている人が多いカナダですが、英語には訛りがなく、きれいな発音で英語を勉強できることも魅力です。
特に語学学校で英語を勉強しようと考えている場合は、この「英語がキレイ」という点はとても重要です。
せっかく海外に留学したなら、キレイな英語の中に身を置きたいですもんね。
その点カナダはとてもいい環境だと言えます。
治安がいい
やはり治安の良さは大きなメリットです。
カナダはアメリカのような銃社会ではありません。
公共交通機関の地下鉄、バス、ストリートカー(路面電車)は深夜まで運行しています。
私がトロントに1年2か月滞在していた間も、物騒な話はほとんどなかったと記憶しています。
例えば、図書館で机にパソコンや荷物をを置いたままトイレに行く人もよく見かけました。さすがに私は貴重品だけは持っていくようにしていましたが、心配なら隣の席の人(知らない人)に「見ててね」と頼んでから行くことも普通によく見かけました。
そうはいっても安全ボケしている日本人の私たちは、海外ではそれなりに注意して過ごすことが必要ですけれどね。
カナダ留学のデメリット
続いて、私が思うカナダ留学のデメリットについてです。
日本との時差
私が滞在したトロントは、日本との時差が14時間(サマータイム中は13時間)あるので、ほぼ昼夜逆転の状態でした。
私はシニア留学中も日本の人と仕事のやり取りをしたり、日本で開催されるwebセミナーに参加したりして過ごしていたので、その時困るのが日本との時差でした。
日本の時間に合わせる時には、まず時差計算をしないといけないわずらわしさがいつもありました。
それに日本を出発してカナダに着いた時も、時差ボケがなかなか取れずに苦労しました。
こればっかりはどうにもならないことですが、カナダ留学のデメリットと言えるでしょう。
物価が高い
カナダはとにかくモノの値段が何でも高い。食品も家賃もなんでもです。
そして追い打ちをかけるのが、このところの「円安」です。
これも自分ではどうにもできないことですが、親にお金を出してもらっている学生留学ならまだしも、全額自腹でシニア留学に行く人にとってはかなり大きな問題です。
カナダは寒い
そして最後は気候です。
カナダは日本の北海道より緯度が高いので、寒いです、寒い。雪も降ります。
私が滞在していたトロントでも、冬の間にストームが何度か来て、その時には気温がマイナス20度近くまで下がりました。
ただ反対に夏はサラッとしていて気持ちがいいです。
夏の過ごしやすさと冬の寒さはセットですから、どちらを取るかですけど、冬場の寒さはカナダ留学のデメリットですね。
50代だったからこそ選んだ理由3つ!
学生留学とシニア留学の違いはと言えば、自分の社会人経験があるか/ないかだと思います。
何十年も働いてきて、いろんなことを経験してきて、いろんなことを感じてきた時間があるから、その時間と経験が、留学に行きたいと思った時にどこを選ぶかに影響してくるんですよね。
私が前回シニア留学を決めるにあたり、50代だったからこそカナダ留学を選んだその理由が3つあります。
海外旅行経験
私は働いていた時に、けっこう夏休みに海外旅行に行っていました。
イギリス、オーストラリア、カナダ、フィリピン、ドイツなどなど、友だちといろんな国に遊びに行っていたので、海外に行くってどういう感じか想像ができました。
どの国も英語が共通語だったので、英語ができれば世界中どこに行っても便利だなと思っていました。
その経験があった上で、シニア留学でどこの国に行くかを考えました。
最終的にカナダかオーストラリアの二択になり、オーストラリアは独特の訛りが気になったので留学先には選びませんでした。
働いている時にいろんな国に行っていたことが、シニア留学を決めるときにも役に立ったなと感じています。
カナダ在住の友だちがいた
仕事をしていた時に仕事を通じて知り合った女性がカナダ在住で、彼女からカナダのことをたくさん聞いていたので、自然とカナダに興味を持つようになりました。
仕事のご縁でつながったのですが、プライベートなこともよく話すほど仲良くなって、お互いいろんな話をしました。
私が特に”どういうことだろう?”と思ったのは、彼女のこんな話です。
彼女は車いすユーザーで、カナダではそれを意識することがないけれど、日本に帰ってくるといきなり“障がい者扱い”されるのだそうです。
彼女がカナダでは感じない違和感を、母国である日本では感じるということに、私はすごく興味があって、実際に自分の感覚でカナダの社会を味わってみたいなと、話をするたびに思っていました。
話でしか聞いていないカナダの社会を実際に見て感じるために、1年2ヶ月という長い期間でカナダへシニア留学をしようと決めました。
この友だちがいなかったら、もしかしたら違う国に行っていたかもしれないですね。
日本が窮屈だと感じる
シニア世代ともなると、何十年も日本の会社で働いてきているわけで、私はそこでとても窮屈さを感じていたんですよね。
いつまでたっても男尊女卑だし、同調圧力だし、波風たたせない根回し文化だし。
なんかいろんな事がいい加減イヤになってきていて、日本から外に出たいなと強く思うようになったことが、1年2か月のシニア留学につながっています。
日本だけにしか住めないなんて、なんだかもったいない気がして。
いざとなったら世界中どこにでも住める人になりたいと思ったんですよね。
まぁ日本を離れた結果、日本の良さに痛いほど気づくことにはなったんですが、シニア留学に行くきっかけとしては、この社会人経験が大きかったことは間違いありません。
50代だったからこそカナダを選ぶことになった、私の理由。
シニア留学に行く人には、きっとその人なりの理由があるはずです。
おわりに
いかがでしたか?ここまでお読みいただきありがとうございました。
カナダ留学のメリット・デメリットとしてはこんな感じです。
<カナダ留学のメリット>
- マルチカルチャーな国
- 多様性
- 英語がキレイ
- 治安がいい
<カナダ留学のデメリット>
- 日本との時差
- 物価が高い
- 寒い
そして、50代だからこそ留学に行ってよかったなと思います。シニア留学にしかない意味があると思っています。
もっと早く行っておけば…という話ではない、この年代だからこその特別な意味が必ず誰にでもありますよ。うん。